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2007年6月 3日 (日)

利便性の功罪(4)

 飽食の時代、と言われて久しい。 食糧自給率のワースト・トップクラスの国がである。 しかもそれは悪化の一途をたどっているのだ、皮肉な笑いがこみあげてくる。

 “飽食”というコトバはいかにも豊かな食生活を連想させるが、我が国の実態はいささかというよりも全く乖離した事実しかない。 日々口にする食品の60%以上が海外からの輸入品に占められており、しかもそれらは低コストで生産された基幹食糧なのだ。 実に恐ろしい実態なのである。

 にも関わらず、我々は捨て続けている。 スーパーやコンビニで売られる弁当や総菜、はてまた学校給食や外食産業によって廃棄される食糧の総量は、飢餓に苦しむ某発展途上国の食糧事情を簡単に好転させるだけのものがあるという。 当然そのコストは可食部分に上乗せされ、本来対価として支払うべき価値との差異が顕著になっているはずだ。 なぜ誰もこの部分に触れないのであろうか。 今まではそれでよかったかもしれない、いや良かったわけではないのだが、無能官僚や役人にダマされていた我々にも非がないとも言えなくはないからだ。

 モラルから始まり食育の問題まですべて一からの出直しを覚悟しなければならないが、先に述べたように物々交換=等価交換の原理をしっかり教育することが肝要かと思う。 第一に食材の生産者に対する感謝が足りない。 第二に加工・提供者に対する尊敬がない。 第三に生きて食することへの喜びと希望が薄い。 これだけである。

自分が行けない遠くから獲物を捕ってきてくれてありがとう、自分が作れないものを加工・調理してくれてありがとう、という気持ちが「食」への認識を変えるであろうし、明日への糧となるのだから。 他人が苦労して造り上げた価値はそんなに安い対価で支払われるべきではないことに、早く気づかねばならない。

 

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